訂正できる最大の誤りの個数と必要なシンドロームの数の関係

 最大3個の誤りを訂正できるBCH符号、もしくは、最大3ブロックの誤りを訂正できるリードソロモン符号で、3個(3ブロック)の誤りがあるのではないかと疑ってまず3次式による誤り位置多項式

 $ \beta_{3} x^{3} + \beta_{2} x^{2} + \beta_{1} x + 1=0 $

とすると次の方程式が唯一の解 $ \beta_{1}, \beta_{2}, \beta_{3} $ を持つことが3個の誤りが発生している条件になる。 $ S_{1} $ ~ $ S_{6} $ は、符号多項式のシンドロームである。解が求まらない場合、つまり3x3の正方行列の行列式が0になる場合は2個以下の誤りが発生しているとして、2個以下の誤りの場合の手順に進む。行列式が0にならない場合は誤り発生数は3個に決定。次の方程式を $ \beta_{1}, \beta_{2}, \beta_{3} $ についてとく。掃きだし法でもクラメルの公式でもなんでもいいのでとく。

\begin{equation} \begin{bmatrix}
S_{3} & S_{2} & S_{1} \\
S_{4} & S_{3} & S_{2} \\
S_{5} & S_{4} & S_{3} \\
\end{bmatrix}   \begin{bmatrix} \beta _{1} \\
\beta _{2} \\
\beta _{3} \\
\end{bmatrix}  = \begin{bmatrix} S _{4} \\
S _{5} \\
S _{6} \\
\end{bmatrix}  \end{equation}

\begin{equation} S_{i} = G( \alpha^{i-l})  \end{equation} $ l=1 $ または $ l=0 $ の場合が多い。

 $ G(x) $ は符号多項式

\begin{equation} G(x) = a_{n-1}x^{n-1}+a_{n-2}x^{n-2}+ \cdots +a_{1}x + a_{0} \end{equation}

である。

こうして、最大3個の誤りを訂正できるBCH符号(リードソロモン符号)では、最大数の誤り(誤りブロック)が発生したとき

誤りを訂正するには $ S_{1} $ ~ $ S_{6} $ の6つのシンドロームが必要になる。

つまり訂正できる最大の誤りの個数(ブロック数)×2が必要なシンドロームの数になる。