修正離散コサイン逆変換とは?

まず、修正離散コサイン変換は

 \begin{equation}  S(r) = \sum_{k=0}^{N/2-1}p'(k){ \rm cos} ( \frac{2π}{N}(k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

とDCTⅣで表せた。

よって逆変換が成立する。

 \begin{equation} p'(k) = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}(k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

ここで $ p'(k) $ は、変換対象数列の後半の偶対称数列部の後半を取り出し符号を反転したものの右に変換対象数列の前半の奇対称数列部の前半を並べたものであった。

したがってIMDCTでもとめるものは、変換対象数列の前半の奇対称数列部の右に変換対象数列の後半の偶対称数列部を並べたものをもとめることになる。

よって 変換対象数列の前半の奇対称数列部の前半 $ p'(k+N/4) (k=0~N/4-1) $

変換対象数列の前半の奇対称数列部の後半 $ -p'(3N/4-1-k) (k=N/4~N/2-1) $

変換対象数列の後半の偶対称数列部の前半 $ -p'(3N/4-1-k) (k=N/2~3N/4-1) $

変換対象数列の後半の偶対称数列部の後半 $ -p'(k-3N/4) (k=3N/4~N-1) $

がIMDCTででてくることを証明すればいい。

ここ、ちょっとわかりにくいと思うけど、上の図3の波形(数列)がp'(k)としたとき

p'(k)から図1の数列をどうやってつくるかkに値をいれて図1と図3をにらめっこすれば

わかるんではないかと思います。分からない人は、文字に慣れてないだけだと思うので

Nに具体的な数字をいれてやってみてください。

そこで

 \begin{equation} p'(k) = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}(k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

であるから

\begin{equation} p'(k+ \frac{N}{4}) = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}(k+ \frac{N}{4}+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} p'( \frac{3N}{4}-1-k) = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( \frac{3N}{4}-1-k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( N- \frac{N}{4}-1-k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} = - \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( k+ \frac{N}{4} + \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} p'(k- \frac{3N}{4}) = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( k- \frac{3N}{4}+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} = \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( -N+ \frac{N}{4}+k+ \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

\begin{equation} = - \sum_{r=0}^{N/2-1}S(r){ \rm cos}( \frac{2π}{N}( k+ \frac{N}{4} + \frac{1}{2})(r+ \frac{1}{2})) \end{equation}

となり $ S(r) $ にIMDCTをかけると、図1の波形が再生されることがわかっていただける

のではないかと思います。すべてDCTⅣの式がIMDCTの定義式に変化してるでしょ。

MDCT結果S(r)にDCTⅣをかけると図3の波形が求まる。ところがIMDCTをかけると図1の

波形が求まるということを言っています。

フーリエ変換系の理論の奥深さに私はたまげました。

同時にまだ、実用的な応用変換が隠れてるような気がしてきました。

なお前の2つの記事、修正離散コサイン変換とは何か(まとめ)からみないと

わからないのはあしからず。